熱帯魚
Lucy

小舟のようだ
夕闇を漕ぎ進む
君だけが
それを孤立と呼ぶのなら
力を込めて
一漕ぎ
ふた漕ぎ
頑なに握る
黒錆びた銀のオールの先から
反転しながら
零れる飛沫は
やがて発光する蒼い小魚
ひりひりと
痛みを光らせて
群れをなし
いつしか
君の舟の形を
夜空に刻みつけるまで


自由詩 熱帯魚 Copyright Lucy 2014-07-07 21:54:10
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