何も信じちゃいけないよ
凍月
何も分かってないようだ
俺は一体誰なのか
名前くらい知ってるさ
所属も親も年齢も
誕生日だって分かるけど
僕は本当に人間だろうか
人間であって良いのかな
流れ落ちる血は罪の色
罪って何だよ
何の事を言うのかさっぱりだ
何故人は死に
何故人は何かを殺す
知った事かよ、知らねぇよ
誰も教えちゃくれねぇさ
他人の口から出るのは全部、
装飾された戯言さ
誰も信じちゃならないよ
よく聞け、いいか
誰も信じちゃならないよ
誰も信じちゃいけないさ
笑ってるヤツは良いヤツか
政治家も研究者も
もっと疑わなきゃならないよ
もっと黒く染まろうよ
誰も信じちゃいけないさ
俺なんか信じちゃいけないさ
何も信じちゃいけないさ
ひねくれて曲がってより暗く、暗く
誰も信じちゃくれないさ
誰を信じても意味無いさ
バカ正直に信じるんじゃない
表があるなら裏だってあるさ
誰も信じなくて正解さ
お前自身さえ信じるな
何一つ
優しい声に耐えられなくなるのは
きっと俺が汚れてるから
普通という線路を
直角に横断する異常者
あるのは目と耳と口
鼻と手だけで
あとは何が何だか分からない
何だよこの部屋は?
真っ暗で何も見えない
何だよこの臭い?
鼻の奥まで痛いじゃないか
何だこの感触は?
気色が悪くて吐きそうだ
柔らかい歌詞を呪うのは
俺が腐りきってる証拠だろ?
エスカレーターを逆に進む
生まれ死にゆく螺旋階段を
落ちないように登り続ける
腕を引っ掻いて骨が出る
頭を掻き毟って脳が出る
悲鳴を上げながら肉を裂く
心臓があるのかも分からない
誰も信じちゃいけないさ
信じる意味なんて何も無い
もし信じたいならば
何があっても疑うな
相手がどんなヤツだろうと
どれだけ下劣な人間だろうと
全部、信じなきゃならないよ
それが出来ないなら
何一つ
信じてみては、いけないさ
疑う事で人間は進む
疑う事で生きてきた
信じる事は大事だけども
何一つ信じちゃならないよ
信じる事も信じない事も
面倒くさくて苦しいけれど
信じ切る事が出来ないならば
何も信じちゃならないよ