セイレーンの歌
未有花

風が変わったら彼に伝えて
セイレーンの歌を聴かせてあげるわ
一度聴いただけで夢中になるのよ
海が青く輝いたならそれが合図

やさしくしないであの頃の私は
恋に夢中になりすぎて何も見えなかったの
あなたが別の人を愛しても
そばにいられるだけでよかったの

このまま海の泡となって
すべてを忘れることができたなら
今さら海へ帰ることさえかなわない
この身を呪わずにすんだのに

風が変わったら彼に伝えて
セイレーンの歌を聴かせてあげるわ
今でもあなたが忘れられないの
あなただけを胸を焦がして待っていると

冷たくしないであの頃のように
もう一度抱いて欲しい今はすべて忘れて
あなたが愛したのは私だと
信じさせてよその腕の中で

このまま時が止まればいい
誰にもあなたを渡しはしないわ
今は私の瞳だけみつめていて
二人きりの愛に溺れて行くの

風が変わったら彼に伝えて
セイレーンの歌を聴かせてあげるわ
一度聴いただけで夢中になるのよ
海が青く輝いたらそれが合図


自由詩 セイレーンの歌 Copyright 未有花 2014-07-03 09:43:20
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