失恋の夢
無花果

君が


いなくなった夢をみた

突然消えた夢をみた

私の世界照らす
光が差さなくなっていく

さよなら、を

言う暇も

分かち合った言葉さえ

消すことができないまま

君はそう、いなくなったんだ



初めて

目が合って

初めて

名前を呼ばれた

初めて

メールを送って

初めて

言葉を交わり合わせた

あの日の会話

まだ覚えている


この気持ちは

恋なんてものじゃなくて

憧れのままで

終わればいいんだ

そんなこと考えてる
うちに

時間が追い越して


君が

ある日突然


いなくなった夢をみた

もう前みたいにはならないね

君は

他の誰かの
世界を照らしている

ありがとう
もういいよ

熱くなった瞼より
大切な思い出を

思い出して

笑顔になれる

いつかがくるから





眩しい

夏の朝陽が

閉じたカーテンの隙間を

辿って

直線描いて

私は目を開ける


いつのことだったかな
もう何年前だろう

君がいなくなった夢をみた

十年前の

あの夢をみていた


自由詩 失恋の夢 Copyright 無花果 2014-07-02 06:49:10
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