私が子羊だった時(part2)
Lucy

さちこさんは
聖書を
私に読んできかせた
「ヒソプをもってわたしを浄めてください
私は清くなるでしょう
私を洗ってください
私は雪のように白くなるでしょう」
そんな言葉が私を泣かせた

「誰もが罪深く
自分の弱さに苦しんでいる
そんなあなたのことを思って
神様は悲しんでくれている」
と彼女は私に言い聞かせた

彼女が神とよぶその人は
私の心の中の神とは似てもにつかない
ひげづらの貧相なダサいおじさん

さち子さんは心のきれいな人だから
見た目にとらわれない純真無垢なカルト教団の信者だった

雪のように白くなることを
私は望むのをやめた

強く生きることは誰かに
判断を委ねることではないと
彼女から学んだ

彼女は見た目も美しい人だったので
離れるときは胸が痛んだ

そうあの頃から
私の直感のよりどころは
見た目だ



自由詩 私が子羊だった時(part2) Copyright Lucy 2014-06-28 23:02:38
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