私が子羊だった時(part2)
Lucy
さちこさんは
聖書を
私に読んできかせた
「ヒソプをもってわたしを浄めてください
私は清くなるでしょう
私を洗ってください
私は雪のように白くなるでしょう」
そんな言葉が私を泣かせた
「誰もが罪深く
自分の弱さに苦しんでいる
そんなあなたのことを思って
神様は悲しんでくれている」
と彼女は私に言い聞かせた
彼女が神とよぶその人は
私の心の中の神とは似てもにつかない
ひげづらの貧相なダサいおじさん
さち子さんは心のきれいな人だから
見た目にとらわれない純真無垢なカルト教団の信者だった
雪のように白くなることを
私は望むのをやめた
強く生きることは誰かに
判断を委ねることではないと
彼女から学んだ
彼女は見た目も美しい人だったので
離れるときは胸が痛んだ
そうあの頃から
私の直感のよりどころは
見た目だ