池袋彷徨
馬野ミキ

宇田川の遊歩道で煙草を吸う
山の手の内側に来ると否応なく煙草が吸いづらい
病院に行ったら先生が学会に参加しているということで休みだった
ワオ
小田急線と京王線の区別がまだつかない
感情的な結びつきがないと名詞を覚えられない
新宿から池袋へ
電車は苦手だ
視界に男が入ると落ち着かない 苛つく
自意識過剰で過敏なのだろう
こいつと俺は喧嘩したらどっちが勝つだろうとか阿呆みたいな妄想をする
病院の薬はあまり効かないし飲んでいない 
副作用で結局わけがわからなくなるのも困るし
心の奥底では精神病という概念を信じていないのかもしれない
まあたまにお守り程度に・・
前歯の内側が歯周病で腫れているのでずっとなめていた
優先席近くのベビーカーの赤ちゃんが俺を見つめている


池袋の駅のホームで三人の女が俺の前を歩いていた
結婚するならどの子だろうか
後姿だけで判断せよ
改札を抜け白髮の巨乳おばあちゃんを視線で追う
小便をして東口へ
小便がよく出る
街にいる自分は緊張しているなと思った
ふくらはぎに自由という刺青を掘ったドイツ人サポーターがキヨスクの前を行き過ぎる
ハイヒールのサイズがあっていない女は悲しい
喫煙所まで歩くのがストレスでそれじゃあ煙草を吸っても休憩に成らないので
バス停近くの街路樹で煙草を吸っていたら
沢山人が集まってきて皆煙草を吸い出した
俺だけの場所だったのに・・

中国人の女はなぜ化粧しないのだろうか
中国人の観光客にベトナムを返せ!と言ったらどういうリアクションを取るだろうか
缶ビールはすぐぬるくなった
缶ビールの奥底には惰性しかない
俺はすごくいい女を見つけたら家に帰ろうと考えた
しばらくして5人まあまあの女の子を見つけたら帰ろうと決めた。


自由詩 池袋彷徨 Copyright 馬野ミキ 2014-06-28 21:13:46
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