小さな丘の小さな家で
しんおん、
小さな丘の小さな家で
おじいさんと小さな猫は暮らしてる
小さな家の小さな窓から
小さな小川が小さな絵みたいに
顔を出す
小さな小川の冷たい水は
小さな猫の喉を潤す
小さな泉で
小さなパンを
二人で分けて食べる
食卓は決して
大きくないけど
小さな美味しいが溢れてる
小さな家の小さな戸棚には
小さな猫と小さな少年の
写真が飾ってある
時々
眺めるおじいさんの目は
優しくて、少し切ないことを
小さな猫は知っている
小さな家には
小さな庭があり
小さなペパーミントが繁っている
昔、懐かしいあの人が
おじいさんのために
植えたんだって
小さなコップに
水を汲み
小さなペパーミントに
水をやるおじいさんの目が
穏やかなことを
小さな猫は分かっている
小さな花瓶に
小さな花が
1週間に1回
変えられる
小さな変化を
小さな家はじっと見守っている
小さな少年と懐かしい誰かが
微笑んでいる小さな丘の
小さな家で
おじいさんと
小さな猫は暮らしてる
決して派手ではない暮らしの中で
小さな慎ましさが
小さな花を咲かせている
しんおん、