だからあの子はくずみたい
カマキリ




あの子がゴミだって捨てちゃったもろもろを

一ヶ月くらい水車の横に隠しておいて

さざなみがつくる境界線のもっと向こうまで

もういいやってなった一歩手前まできたら

僕んちの吹き抜けの中途半端なとこにある窓に貼り付けんだ


いつからかあの子、それを星座と呼ぶようになって

身振り手振りでしか伝わらない呼吸と声の真ん中くらいの振動を

すこし頷くだけのやり取りを順々に繋いでみるんだ


そしたら、ぜったい指差して笑うから
いろんなとこにビー玉おいてあげるんだ


そんで、解き放たれたくずみたいに

感情と呼ぶにはバカらしい熱が出るみたい

川べりに説き伏せた生き物たちをぜんぶ並ばせて



似たような規則性であの子、
汚れた指で夜空をなぞっているんだ







自由詩 だからあの子はくずみたい Copyright カマキリ 2014-06-21 05:44:58
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