星を食べた少女
小原あき

星を食べた少女は
嘘ばかりついていたから
みんなから仲間はずれにされていた

私の涙はどんな花も空色に変える、とか
私のくしゃみは太陽をほんのすこし
地球から遠ざけることができる、とか
そんな嘘

わたしは少女と友達だから
それが本当だって知ってる

みんなに空色のひまわりを見せてあげよう
って言ったけど
ひまわりは黄色だからひまわりなんだよ
って返された

そんなこと、知ってるよ
―だけど、さあ
―――だって、ねえ

みんなに嘘じゃないって言ったら
わたしまで仲間はずれにされそうだから言わないよ
って言ったら
言わなくていいよ
それが本当だって
私は私が知ってればいんだもん


みんなと遊んでるとき
星を食べた少女は
一人でぽつん、と
星の本を見てる

どの星を食べたのか
探してるんだって








自由詩 星を食べた少女 Copyright 小原あき 2014-06-20 19:26:32
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