十九歳迷路
クナリ

孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
いつかどこかで 出会いなおそうと
思えるくらいには 時が過ぎたよ



荒れ果てた町の 荒れ朽ちた部屋は
一人分だけの 優しい隠れ家
ここにいてほしいと 願った人は
きっと最後まで ただ一人

偽物だった あなたの微笑を
本当にしたのは 私のような誰か
作り物だった 私の鼓動を
本当にしたのは 今もまだ



漏れる叫び声は 弱い者の猛り
聞こえる他人が いてはならない
弱き者の 怯えが見えるか
弱き者の 絶叫を嗤(わら)わずにいられるか



孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
いつかどこかで 出会いなおそうと
思えるくらいには 傷が癒えたよ

孤独じゃないと 言い聞かせては
孤独でいようと 必死だったよ
どこかできっと 巡り合おうよ
ただ大切なだけで 理由になるでしょう。


自由詩 十九歳迷路 Copyright クナリ 2014-06-17 11:41:02
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