齧歯類
……とある蛙

異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。



人間は自惚れる。いろいろ挫折しても何かしら理由をつけて自惚れる。死ぬまで自惚れる。

現実を見つめることは辛いことだ。
現実は多くの場合、失望を伴うから。
時間と希望は不可欠の仲間だ。
時間がなければ、希望は絶望に変容する。中身は同じものの裏表なのに。

つまり、
人間は希望を挫折で削っている齧歯類だ。


自由詩 齧歯類 Copyright ……とある蛙 2014-06-15 19:26:52
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