海風
ichirou


海の匂いがする風が

過ぎていく時に
光と
圧と
匂いと
音で
描く



   飛ぶ

 
鳥は
海風に向かい
まるで静止しているように飛ぶ

鳥は
生きるために飛ぶのか
飛ぶために生きるのか


   感じる


僕は
海風に向かい
まるでひとりではないかのように感じる

僕は
生きるために感じるのか
感じるために生きるのか


飛ぶことも
感じることも
過ぎてゆく時に
描かれていく

過ぎてゆく時に描かれること
それが
生きているということなのか


もう少し早く
気がつけば
よかった

鳥も
僕も
海風と同じだったことに



自由詩 海風 Copyright ichirou 2014-06-14 15:15:59
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