極寒結晶
千波 一也
きつく、きつく、したら
壊れてしまうかもしれないね
って
胸のうちで微笑み合いながら
重なりあう
雪の
はずだった全ての飾りは
やわらかな音のなか
硬質な匂いの
一滴となり、
主をはなれた一滴は
やがて孤高にうたいはじめる
震えて、ひたむきに、
たとえ忘れ去られても
きつく
きつく
その一瞬の永遠を
自由詩
極寒結晶
Copyright
千波 一也
2014-06-13 22:24:31