僕らの誕生日 / 永遠
クナリ
<僕らの本当の誕生日>
はるか年上の 僕の友達へ
敬語を使うなと言って 跳ねるように歩く
話したくもないという戦争の話を
僕にだけは 話してくれた
家出した僕を その日の夜に
君が教えてくれた 森の木のうろで
当たり前のように 見つけてくれた
星を数えながら 二人で帰った
君に出会った日が
僕の本当の誕生日
・
はるか年下の 私の友達へ
誰もが君が思うほど 君を見てはいないよと
真理のように うそぶく者が
君の心を 踏みにじるだろう
通り過ぎて行った 幾百人の
幾らかは時折 雨に振り向き
去りゆく君を 見つめているよ
まるで自分だと さいなみながら
君に出会った日が
私の二度目の誕生日
・
もう一人にしないと どこにも行かないといったのに
どうして行ってしまうのと
泣いて追いかけた
あの空に昇る
飛行機雲のような青い煙を
・
閉じ込められた殻に 押しつぶされそうな時は
あの夏の間 私とした話などを
思い出してみるといい
忘れられても
なくならないものがあると分かるさ
・
君に出会った日が
僕の本当の誕生日
僕に出会った日が
君の本当の誕生日
君と僕が出会った日が
僕らの本当の
誕生日
その声が
もう一度だけ
もう一度だけ
聞きたくて。
<永遠>
なんだ
君ときたら
永遠だったのか
ありがとう。