愛するということ
りゅうのあくび

きっと初めから
死を覚悟して恋をしていた

随分前のことだけれど
彼女から
死にたいのだと
こっそりと
打ち明けられたことがあった

どんなに哀しくても
明るく振舞う
気立てのいい
年上の女だったから
生きることが
つらいことだと
よくわかっていた
その女のためなら
死んでも良かった
同じ病気の苦しさから
一緒に死のうかと考えたこともあった

けれども
お互い共感することによって
二人で何とか
今も生き抜こうとしている
彼女は多かれ少なかれ戸惑い
生きることをためらったけれど
僕をいつの間にか許し好きでいてくれる
もちろん僕についても
何よりも彼女の愛があればいいと想う

恋愛は恋人たちが
生死を共にする
一瞬より始まるのかもしれない
それが恋愛の始まりであり
人生の夜明けでもあるのだろう

その一刻に
恋人たちの朝は
永遠に耀いている


自由詩 愛するということ Copyright りゅうのあくび 2014-06-03 00:45:59
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
彼女に捧げる愛と感謝の詩集