楽譜にすりゃあ滅茶苦茶、手紙にすれば届け先から抗議の電話が来るような—系統
ホロウ・シカエルボク





白く褪せた世界の中を泳ぐようにフラつきながら行先に覚えも無くフラフラとただフラフラと幾つかの針金で生を模倣させられている人形みたいに生身の虚ろでそれでもきっとおそらくなにひとつ求めもしなくなるよりはきっとずっとマシなのだろうと漠然と感じながらそうきっとなにひとつ求めすらしなくなるよりはきっとずっとマシなことなのだろうとだけれどきっといくらかはマシという以上のなにかが仄めかされているわけでもなくまるでそう意思を持って進行する泥土のような流れがそこには存在していて慢性的に息苦しい気分でだけどそんなもの例えば冬に寒いこととと夏に暑いことと同じで言うなればデフォルト設定といったようなものでそんなところに是だの非だのこだわったところでなんの意味も無いことは判っていたので特別どちらに傾くことも無いまま感情の天秤は真横に保たれていてそもそもそれ以上楽になることも苦しくなることもありはしなかったからそんなことでちょうど良かったのだでもたぶんきっとそれはいつまでも許容していていいようなものでもないのだけれどまあいますぐにあれこれと考える必要があるものでもないことは判っていたんだただ少しそんなことがいつまでまとわりつくのかななんてことがほんの少し気になる程度でだからなにも問題はなかったってまあいま現在この状況自体は問題でしかないのだけれどそうしいて言うなら迷子になったけど慌ててないみたいなそれ以上どこかへ迷ってしまうような選択をするような危険だけはないだろうというようなニュアンスでなにも問題は無いという言葉を発しているという感じで受け止めてもらえればいいしそもそもこうして説明している状態についてどれだけの人がああなるほどと感じてくれるのかというところについてはまったく見当もつかないし見当なんかつけたところでなんの意味もない気がするしそれは共通認識とか共感とか共鳴とか共振とかいうような部分への懸念なのだろうけどそういう言葉の中でアエテひとつなにか選ぶとするのならそれは共鳴という言葉かもしれないだって一番信用が置けるような気がするだろう他の言葉と違って無意識な感じがして好きなんだよな共鳴っていうのなんて言うか意識を解してないところで理解しているって感じがしてねってそんなところを長々と話すことも別に無かったんだけどまあちょっとぐらいの脱線はつきものだよなこうしたスタイルにはねってそう上どんなスタイルなのってことになるんだけど簡潔に乱暴に言ってしまえば同時進行で描かれるっていうようなさ判るかなこういう例えをするとさっきの共鳴の話とごっちゃになってしまいそうで申し訳ないんだけど意識をあまり通さないようにするっていうか無意識であるように心掛けるっていうかねってこの言葉はなんだか面白いな無意識であることを心掛けるようにするっていうのはだけどすごく簡潔に言い切っている感じがしていていいねしかも乱暴じゃないしねだいたい簡潔っていう概念は往々にしてただただ乱暴なセンテンスになりがちじゃないかなと思うんだよななにかこう適当にまとめてみましたみたいな数行をクレバーだと匂わせるような最近の風潮は好きじゃないんだよねきっとツイッターとか掲示板とかのせいなんだろうけどさああいうのは本当に大嫌いなんだよななんだか単語以外読んでない感じがしてねたとえば物語があるものだったらとにかくあらすじにしちゃうことばっかり考えて読んでるような感じだよな詩なんかだともっと顕著な感じするよなイントロとエンディングだけ見て判ったような気になる感じさああいうのは本当に駄目だなだけどそういうことをしてるやつらほどなんだか躍起になってくっちゃべるんだよな判ってください判ってくださいみたいな感じでさしかもそれにしたってなにを判ってほしいのかってよくよく観察してみたらこんなにきれいにまとめているわたしの賢さを判ってくださいみたいなそれだけのもんだったりするんだよな満点のテスト何回も見せる子供みたいな感覚でさしかも答案用紙なら答えがきっちりあるものだけどこうしたものには答えなんてまるでないからねどうひっくり返したって答えなんか出てくるようなもんじゃないそういうものをなんて言うか定義するような真似をしたってなんの意味もないよだいたいそういうことをしてたらその定義にそぐわないものにはなんの意味もないってことになってしまうつまりわざわざありもしないフィルターをこしらえちゃうようなもんだよなそんなことしてたらいまはよくてもあとあとまったくプラスになることはないだろうねだってフィルターがかかっちゃってるわけだからしかもそれは自分のほうでかけちまってるんだからなまったく始末におえないよ纏足のようなもんだなそうだろ読むにしても書くにしてもあらゆる方向へひっくり返して転がしてみないと駄目なんだよそうしないとすべてを見ることは出来ないだからおれは出来うる限りの言葉を詰め込んでひっくり返したときになるだけ面白い結果になるようにたくさんの要素を詰め込んでいるんだ。








自由詩 楽譜にすりゃあ滅茶苦茶、手紙にすれば届け先から抗議の電話が来るような—系統 Copyright ホロウ・シカエルボク 2014-05-31 00:47:41
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