ボーイ
砦希
おいボーイ
大志はどうした
電車の吊り棚で眠ってみても
乾いた傷をえぐってみても
めざす場所には行けない
おいボーイ
タブレットの画面には
思い描いた夢なんか映らないことに
そろそろ気がついた方がいい
忙しいのは心を亡くすことだと
昔だれかが偉そうに言っていた
なりふり構わず
慌てふためくのは誰が見てもカッコ悪いし
そういうのは柄じゃないって
いつでも余裕なフリをしていたら
いつの間にか
頑張れない人間になっていた
おいボーイ
おいボーイ
こころはいつも
この道をいった先にあるのに
どうしてもたどりつけないと
なげくのはもう
おいボーイ
淡いかなしみを心に抱いて