風に乗せて
加藤

昇っていく 光の粒が
心かざすようで 眩しくて
見上げて口を開けていた

うなずき 消えるのを待つ
見えても見えない気がする ふしぎ
混ざって溶けて始めて
一つ一つがちがうと思えた

冷めた青空が揺らいで
それだけで雨がさあっと流れた
ずっとずっと憧れた
心の内に潜む怒りを止めて
言葉もいらなくなった

ぶつかった感情も
重たく硬く響く音も
ゆるやかに曲がるカーブと共に
ころがっていって投げ出される
手ざわりを知っているから
夢を見ても見なくても
りんりんと聞こえる朝のベルと共に
喜びの命をかかげてみせよう


自由詩 風に乗せて Copyright 加藤 2014-05-25 23:57:15
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