ラムネになった女の子
ユッカ

ジンジャエールの泡を見ていると、汚れがはじけて水に溶けていくような気がして、ほっとするんだ。メロンソーダも飲みたいね。これからの季節には。炭酸水のような軽やかさが、こころにもほしいよ。こんなに重たくなっちゃって、スキップもできないで、あたし、底によどんでばかりだなあ。鼻先にただようガラスのコップのつめたさのせいか、つまさきから頭のてっぺんまで、甘ったるくてだるい。勇気がでない、って、こういうときにつかう言葉なんだ。ありきたりな言葉たちが、ある日すとんとあたしの胸に着地する。おどけたリズムで、転げ回るようになって、スポーツにルールがいらなくなる。ルールなんてなくても遊べるようになる。罰がなくてもあがなうことができるから。なんて、夢かな。また喋りすぎてしまったかもしれない。ねえきみ、誕生日には透きとおる綺麗なビイ玉をください。余計な口にチャックしていられるように。きみの見つけた、とっておきの一つぶで蓋をして。そうしてすべてを見なかったことにしてもいいよ。きみがいつもそうしているように。


自由詩 ラムネになった女の子 Copyright ユッカ 2014-05-20 21:41:31
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