私にはできないことがたくさんある
ららばい
私が一番恐ろしかったのは
少女の瞳の中に絶望が見えなかったこと
少女はあまりにあっけなく
まるで空でも飛んでみたかったのと言うかのように
とんでもないことをやってのけてしまう
死んではいけない
言うのは簡単だ
でもそれを実行することは
私にとってもおおごとだ
死んではいけない
理由なんてわからない
私が頭を廻らして絞り出した理由なんて
虚しく空を彷徨うだけだ
それでも
生き続けてもらうこと
それが 私の願いであって
それが 私の仕事であって
そんな私の戯言は
わかろうとしてくれなくていいから
どうか少女が
この世界を生き抜くことができますように
少女の真っ黒な瞳に
きれいであたたかくて優しいものが
たくさんたくさん映りますように
そしてそれらが彼女の内側に染み入る一瞬が
いつかただしく訪れますように
それだけを切に願いながら
一緒にやっていきましょう
私はここに居ますからと
少し悲しげな目をして
私は言う