弟の死
馬野ミキ

弟が死んた時、俺はにやっとしてしまった
仕事も休めるし
ずっと苦しんでいるよりは死んだほうがいいだろう思った
当時子供がまだ赤ちゃんで俺はきつい土工の仕事をこなしていた。

京都でアル中になった弟は
鳥取に帰り精神病院に入院していてそこで死んだ
心不全だという
まあなんでも心臓が止まれば心不全だ
疲れたんだろう
いいじゃないか 疲れた人は休めば

弟の部屋を掃除していると
ブランド品の箱が沢山あったが中身はほとんどなかった
母から相当金を送金していてもらったようで、母もまいっていたしこれは母に見せたくないなと
シャネルやら何やらの箱
中身はどこにいったのか知らない
ヘリコプターにのってデートした領収書とか ワオ
京都ではモテていたようなので頂いたものなのか 買ったものなのかまあ分からない

掃除をしていると田舎に帰ってきて精神科で出会ってつきあった女の子のパンツが数枚出てきた
母は、弟とその子がが実家の二階でSEXしていたのが気に入らないらしくその子のことも嫌っていた
まあ無遠慮だわな
だが無遠慮でなくては存在できないものもある
母には同情するが・・

死や葬式はある種の茶番であるし
何かみんなで下を向いていると俺のちんこはむくむくしてくる
人が死ぬと性欲がわく
俺は弟の恋人のパンツをちんこにくるみオナニーをした
京都からやってきてくれた弟の友達もかわいい女の子が沢山いたのでまいっていたということもある

葬儀場で俺は喪主としての挨拶をしている時に後ろから
感動をプロデュースするようなわざとらしい音楽が流れだした
あの時、場を壊してもいいからあの音楽を止めてもらうべきだったと時々後悔する。


自由詩 弟の死 Copyright 馬野ミキ 2014-05-16 21:31:03
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