詩的なあなた
乱太郎
言葉と言葉を繋いで紙の上
裏返しにしたらもうあなたはいない
見えないところで
優しさといのちを繋いで
載せる人差し指は悲しく踊る
詩に説明はいらないとは
誰かが言った言葉だが
ここにあるのは
ただひたすらあなたの生きている証
何度でも
言葉を置きあげて
何度でも
言葉を削り取り
あなたでしかない言葉の森を広げていく
あなたが微笑むと
紙の上で飛び跳ねる魚のような言葉
あなたが苦しむと
鉛筆も倒れたままの流れ星
あなたなしでは産声を上げられない言葉たちが
いまかいまかと待っている
あなたが迷うと
みなしごになってしまう言葉たち
青空を仰ぎ
一等星を探して
あなたはあなたの足音を聴く
そして言葉は風となってなびく
薄い紙の上だけで収まりきれない
あなたの詩がある