土気ダス溶液
アラガイs


ダムの両脇を挟んで聴こえてくる唸り声は鬼の咳き込む嗄れた喉笛か、それとも千二百年の樹齢を越えて漸く地睡へと辿り着いた楠木を荒々しく揺さぶる、神垂の擦れあう音なのか 。
この地で我々の欲望を充たすには多くの不純物を含み過ぎている。
大雨が降る度に耕された一方の土地では崖崩れに襲われる。生い茂る森と沼地の段差は酷くなるばかりで、これでは透明で清らかな水の流れが泥砂と停滞することもなく一気に流れ去ってしまうのも無理はない。
渦を巻くならその眼の中に矢を放ち、遠方より渇れるのを待って喰らう。
餓鬼のくせになにも痩せ我慢することもないではないか 。
ここは流れに逆らわず荒々しい本性で一気に線を引こう。
抵抗すればその力強さは増すばかりで、色は水の中で混ぜ合わせればよいのだ。
(、ヲワケ 、ヲワケ 、) 太古の昔から弦と絡みあう無邪気さ。
おまえを悩まさす森は二つに引き裂かれる運命の霊廟。
獣道から街道を抜けて護岸
の途に着く旅人の足は止まらない 。











自由詩 土気ダス溶液 Copyright アラガイs 2014-05-16 13:49:20
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