虹とスニーカーと奇想
比良末潮里
隣に彼がいないのをいいことに
オナニーする夕暮れの美少女は
悲壮感漂ってグラフィカルな幻覚をみる
もっぱらハウスかテクノのピコポコ電子音苛まれ 焦りばかりの毎日
蛍光カラーがポップに散歩する
これって噂の自動思考か。
「どうせ私なんて…」でリピートしてさっきから百回くらい止まらない
抱きしめられたぶんだけの幸せを返そうと思っても、そんな時キミはいつもいない
脈絡のひとつもつかまえられないまんま
メリーゴーランド回転して
あっち側に行けない
監視カメラがあちこちで目をギラギラさせて、私の脳内を掻き回して引っ張り出す
きっと
本当の自分なんか見捨てられる
ホームセンターを右に曲って真っ直ぐ道なりだって言われたけど…店らしきものがひとつも見当たらないから、きっとこっちは商店街じゃないのに
明日地球最後の日だとして
海辺でセックスしたい
って彼氏が言うから
「なら腹上死だね」
って笑ったら
「何それ、わかんねー」
って怒りながら泣くから頭撫でた
青姦でひとつ全てが終わったとして
白いオタマジャクシに未来は無いんだね
帰る場所もない
今だって生まれてきたことに深い意味なんてないのに
無意味に泣きたくなるんだ
オレンジの窓辺は
西陽で焼け爛れて
下腹部から下熱くて冷たい
唇がヒリヒリとしびれて
世界が戻ってく
爽快な場所へ飛びたいや
イけないけど
いつも