宇宙人の子ども
chiharu



自分の産んだ子どもが
ある日突然、宇宙人みたいになっちゃって、
不登校とか摂食障害とか思春期病とか
病名をつけちゃったりして、
片っぱしから本なんか読んでみちゃったり、
病気なんだから、医者に早く治してよって
丸投げしちゃったり。

そんなことしていくうちに、
子どもが宇宙人になっちゃったのは、
母親の自分のせいなんだって気づきはじめて、
さあ、そうしたら今度は自分を責めて責めて
わんわん泣いちゃって。

子どものためにって母親の思いは手放さなくちゃ。
だって自立の邪魔になるんだもの。
余計なことは、しない、言わない、やらないって
周り人も捲き込んで。
医者が子どもを信じなさいって言うから、
自分は子どもを信じてる。信じたい。信じなきゃ。

こんなに必死で頑張ってるのに
いつまでたっても子どもは宇宙人。

あーあ、何やってたんだろ?
信じるって自分を信じるってことなんだよね。
自分を信じてないのに、
子どもを信じるなんてできないのさ。

宇宙人みたいな子どもを見たくない。
だって自分が不安になるんだもの。
自分が不安を作ってるだけなんだもの。
その不安を手放そうったってなかなか出来ない。
子どものことで頭がいっぱいの時は手放せない。
だって自分、頑固なんだもの。
本当は不安を手放したくないんだもの。

じゃあ、いつその不安を手放せるのかって?

たぶんね、子どものことなんか忘れて
別のことに夢中になってたら
知らないうちに、どっかいっちゃうんじゃない?

きっとさ。





自由詩 宇宙人の子ども Copyright chiharu 2014-05-04 01:15:56
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