うるわしの赤を求めて オムニバス
るるりら











【昼間の星】

こんにちは 昼間の星々
雲の姿は無いというのに、私たちには お互いの姿すら見えない
腐りやすい私たちのこの身体よりも もっと高い深みに
あなたと私の心の場所が きっとある

雲をつかむように
わたしは あなたの心に届く言葉を探す
きのうまでの呪いの言葉ではなく
羅針盤にするべき言葉を

毒の漆の新芽をも喰らうような 
みもだえの日々
なにせ 私たちの間柄は漆黒の樹液

それでも今
わたしは うたいたい
漆朱を背中に抱いた天道虫が 君の方へ飛び立った



【オペラ日和】


オペラという名のピンクを探している 
孵化したばかりの蝶でさえ
花の色や香を 損なわないで、しずかに蜜を花から受け取るよ
ふわりと また始めよう  ドレミからはじめた子供のように

それぞれの花の香りが 露を受けている
すずらんのすがしい香りは 足元に
素足の心で 胸いっぱいに  吸い込めば
わたしは今、野生の鹿と同じ いたずらな瞳

すべてのものたちに
もたらされている朝露が
自分のしたことにも しなかったことにさえ 虹をくれている

顔をあげれば 朝焼け
私は今、糸杉からたれさがっている野生化した ジャスミン
エッジを効かせて より明るいオペラズカラーを探しているよ



【朱墨の薔薇】

子供ように、
世界には何もないとおもっていた 無知な私に 線を引く
丸くうずくまっていた落ちこぼれの私に 朱色の線を引く 

あなたの心なら信じられる
あなたの色で私は書き換えられ
平坦だった私の心にエッジが生まれる

あなたに
深々と、
深々と礼をつくし、
深々と息をして、
さあ、
 わたしは 無垢な点になる
 すこしの不自由と 透明な私よ こんにちは

あなたが私をノックする
あなたの手にある朱色のインクが花丸を描く
おおきなおおきな どんな薔薇でもかなわない花マルが
あらゆる戦いに勝利する


メビウスリングさんの連詩より【朱墨の薔薇】 http:// mb2.jp/ _gsk/24 1.html- 352#RES

メビウスリングさん四月の企画 【昼間の星】【オペラ日和】http:// mb2.jp/ _aria/8 44.html




携帯写真+詩 うるわしの赤を求めて オムニバス Copyright るるりら 2014-04-30 15:48:01
notebook Home 戻る