よく話したっけ
加藤

楽しさは
長い時の間に流れていく
今が濃縮し
一つの一つの細かい瞬間を 忘れさせる

本当に明日になったらまた会うことになるんだろうか
不信な音が鳴っているのに小さく耳を塞いだ
まだまだ 話は たくさんあるんだ

性格が違うと
気持ちが出た時違うもんだとよく分かる
けれども 似通った空気があればあるだけ
そんなものはささいな感情で
全く別の場所を見続けたって
目つきが同じようなら通い合う

頑なに育ててきたたったひとつの道しるべ
いつの日か誰かに受け渡した
このまま忘れていくかもしれない
冷たく消える風と一緒に

優しさがいつかこわれてしまっても
こわれたその後にも何度もふれて確かめたい
前を向くのはとてもむずかしいので
このまま私はこのままの私でいても
信じられるもの全部信じてもいいと分かった

変わっていく風の向こうに歩いていって
約束を交わす
次に会うまで新しい話を探そうと思った


自由詩 よく話したっけ Copyright 加藤 2014-04-28 02:40:55
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