薄エメラルド宣言
ブルース瀬戸内

一皮剥きたまえよと言われても
簡単にできないことだってある。
世界有数の薄グリーンの私でも
頭を抱えることだってあるのだ。
至高の薄エメラルドの私でもだ。
申し遅れたけどもキャベツです。

私は一皮というか一葉めくると
自らの一部を失ってしまうのだ。
実にリアルに実にはっきりとだ。
そのことは覚えておいてほしい。
千切りだなんて誇らしいが痛い。
ボディだけでなくソウルも痛い。

世界は意外とキャベツを求める。
それ自体はとても嬉しいことだ。
だが痛みが癒えるわけではない。
喜びと痛みが併存しているのだ。
悦楽などの世界のことではない。
私は痛み、喜び、かつ存在する。

一体何のことを言っているのか。
紛れもなく私のこと言っている。

あらためまして、キャベツです。


自由詩 薄エメラルド宣言 Copyright ブルース瀬戸内 2014-04-25 01:19:54
notebook Home