おんなのこたちによるおんなのこたちのための
比良末潮里
おんなのこたちによるおんなのこたちのための
おんなのこたちのおんなこたちによる
おんなのこたちのための
言葉がくちびるをつたっておちると
僕は気絶した
おんなのこたちのおんなのこたちによるおんなこたちのための
言葉に
夢中になっている矢先
僕はつまづくんだ
何もないところで
サラブレッドたちのいななき
涙がおちて溢れて
星空が降ってくる
音もなく
デコラティブな輝きだけが
そこらじゅうに放たれる
砂糖より甘くて
哀しさは
ブラックホール級
追いかけてしまったが最後
そこは大宇宙
駆け出した
飛び出して
デジタル情報も飛び越えて
向こう側
暗号化されたオリジナリティ
もうミクロ級
大多数が知らないのに
知らないことが罪みたいに
純粋を含んだ鋭い眼球
こちらを向いた
おんなのたちのおんなのこたちによる
おんなのこたちだけの
言葉
で
いつも
息ができなくなる
おじさんがどんなに手を伸ばしても幾つも掻い潜って
おばさんがどんなに罵ってみたところで全てを掻き分けて
電車から溢れ出す
おんなのこたちのスカート
舞い上がり
全てがそこへひれ伏すくらいに
どんなにひとつひとつ
手折ったところで
誰も消せやしない
おんなのこたちは
いつもどこかで
滅せられても
また生まれ出す
生まれ出す
おんなこたちのおんなのこたちによるおんなのこたちの
言葉を
紡いで
DNAが連なって
途切れない
ねえ
遺伝子レヴェル
失って尚
途切れない
電気信号
駆け巡って
尚
時間軸も忘れて
明滅する
星々
おんなのこたちのおんなのこたちによる
おんなのこたちのための宇宙