Naha
藤原絵理子


魚臭い市場の雑踏で迷子になった
US MarineのGIがこわくて泣き出した
東シナ海をわたってくる風に明日をゆめみた
ジェット戦闘機の爆音に空を見上げた

悲しくつらい過ぎた時代は
せいいっぱい元気がでるように話す
重く苦しいこの瞬間は
せいいっぱいの楽天さでやり過ごす

戦いに赴く兵士を乗せた船に
交錯した想いを隠した眼をむけながら
正義の名のもとに許された憎悪に憎悪する

あたしの町はいつも夏
灼けた屋根のうえで踊る猫のダンス
抜けるような青空に抱かれて駆け出す


自由詩 Naha Copyright 藤原絵理子 2014-04-22 21:05:22
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