私の肩を信じるあなたへ
イナエ
横波 縦波 渦巻く世界
肩肘張って働いて
お疲れなんでしょうね
名も知れないゆきずりの肩に
頭を預けてしまって
安心しているあなた
満ち溢れる心労を
化粧に隠していても
あなたの髪は疲れたこころを
さらしています
顔にかかるからといって
迷惑だとどうして言えましょう
人を信じる初(うぶ)な心に選ばれて
肩は 喜んでいるのですよ
少々の凝りなど
何で厭(いと)いましょう
たとえ下車する駅は異なっても
先の見える電車のゆりかご
緩い流れのリズムに浸って
明日に広がる花園を逍遙出来れば
肩もしあわせ
さあ 遠慮なく
「一軒家」から