空洞少年 / 残響少女
左屋百色

空洞/
廊下で屋上で階段で
血がでるまで殴り続ける放課後
さっきまで童貞だった少年が
トイレで公園で部室で
制服を精液で征服した気になって
ばかなんじゃないの、
校庭の花壇が
雨の次の日
やたらキラキラしてるから
そういうものに
(俺の童貞をあげたかったな
とか言って
また血がでるまで
ずっと青い

残響/
保健室のベッドで絶頂
3月まで処女だったから
4月は路上で
すべてに名前をつけてやる
花になりたいのか
風になりたいのか
ばかになりたいのか
(きれいすぎるな
君はきれいすぎるな、
音楽室から中性的な歌声
君はきれいすぎるな、

妄想、欲情、独白
みんな大人になるのか
一瞬か
学校から
ビルから
海から
実家から
ホテルから
みんなどこから見てるのか
未来だよ、
好きだった人は
今、
誰を想っているのかな。
気が狂いました。
きれいすぎるな、今日は。
青が赤を貫通するぞ、

ほら、オナニーの後に真実を疑いなよ。
ほら、セックスの先に感情を導きなよ。


自由詩 空洞少年 / 残響少女 Copyright 左屋百色 2014-04-16 22:27:06
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