恐怖
葉leaf




人々でできあがった柔らかな機械の中に
一つの緩やかな歯車として放り投げられました
皆さん幾つもの顔を持っていて
どの顔が本当の顔なのかわからない
結局本当の顔なんてどこにもなくて
表情が瞬間的に真実になってはまた流れていく
人間はとても怖い
ただひとつの真実を持たないから理解が難しい
その仮面の下で僕をどのように評価していますか
だが評価もまた流れていくもので
真実の評価なんて瞬間にしか存在しない
だから人間はとても怖い
ただ一つの態度を持たないから対応が難しい
質問すれば愛想よく答えてくれる
報告すればちゃんと聞いてくれる
回覧すればちゃんと読んでくれる
それはすべてただの義務でしかなく
それはただの労働で
心からの好意はないのではないですか
だが義務と好意もまた流れていくもので
義務も好意も本当は区別がつかない
だから、人間はとても怖い
せめて労働ではない純粋な好意を!




自由詩 恐怖 Copyright 葉leaf 2014-04-15 04:01:43
notebook Home 戻る