プリペイド
山中 烏流


失敗を許すのは三回まで
三回を過ぎたら、期待ごとゴミ箱へ
仏の顔に倣ったのはいいけれど
あんまり正確にしていると
神様と見間違う


私の優しさは有限です
愛も有限です
怒りには多大なエネルギーを使うので
あんまり見る機会もないでしょう

心の残高が尽きたら
チョコレートとコーヒーを並べて
こうやってみると
私は、機械によく似ている


好きなものは好きなだけ、という理想論
話題にも限界がある
同じものを見て
同じように覚えた感動は
新しくないものだから
すぐに通り過ぎてしまう

私の心は有限です
物事を考えるのには少し足りないかもしれません
興味がないことには
指先一つ動かすのも億劫で
霞を食べる真似をして
神様気取りだ、とあげつらう


心の残高が尽きたら
次は何をしよう
「チョコレートとコーヒーを並べて」
決まり文句はいいから

もっと、別の何かを












自由詩 プリペイド Copyright 山中 烏流 2014-04-12 16:34:13
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