水切り
春日線香

放り投げたものが渡っていく
橋が暗闇にかかっており
おまえはそこんとこを疾走する
車の中の横顔を見たようだが
先ほどから雨脚は強くなり
強くなりしていく雨脚にまぎれて
見えない
遠く見えない石頭のうしろが
水切りのように渡っていくだけだ
この世のへりでは


自由詩 水切り Copyright 春日線香 2014-04-12 04:41:07
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