冬のスミレ
藤鈴呼
同じ 花びらでも
気候によって 咲き方が 違うように
人間の表情も
くるくると 変わる
スミレは 一年中
可愛らしい花を 咲かせてくれるんだよ と
あなたは言った
にこやかに植えた 秋の一日
嬉しそうに 葉まで 揺らしながら
ほほえんだ スミレ
それから 雨が降って 霜が降りて
スミレ キミは しぼんでしまった
あんなに 「負けない」 と
誓った 茎も うなだれて
何だか 味気ない
だけど クマだって 冬眠するんだ
スミレ 君の根は 暖かな 土の中で
次の 花を 待って いるんだね
それまでを 楽しみに
ボクも 舞って 生きることに するよ