かりそめのまるまる
はなもとあお

フォークで
ひとくちずつ
崩されていく
ホールの
切り分けられないまるまるとしたケーキ



夢中にむさぼった夢の後味が
満たそうとしたもののおおきさを物語る



コトキレタイ
気が済むまで
嵐が通り過ぎるまで
擦り切れるまで
さみしさに手が届くまで
コトキレタイ



しみる
傷に
ぬりたくるように
欲望
ひたひたになるまで



どんどん
おおきくなる
空洞



わたしたちは
ごまかされる
偽物の
手に入れやすい
代物で
しあわせな人が
簡単に
はじめから持ってる
明るさに
ながく
探求しないと辿り着かない大事なもの
失いながら
かなしいって泣きながら
ようやく
自分を大切に扱う
目をもつように
なる



愛って、なんだっけ
こっそり
つぶやいて
むなしくならない
満ち方を教えて





自由詩 かりそめのまるまる Copyright はなもとあお 2014-04-08 21:40:32
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