麦わら帽子のスノーロード 
砂木

雪を土の上に敷いていく その道を
スノーダンプに雪を積んで 水辺まで運ぶ

降り積もった雪の塊 
昼の熱にとけて したたり落ち
夕暮れに 冷め 夜に凍り 
朝には スコップもささらない
固いコンクリートのようになっている

まぶしくて 麦わら帽子をかぶる 右手を痛めないか 
スコップを無理に 固い雪砕きに振り回さないように
少しづつ切り取っては ダンプに入れる
 
同じ作業なのに 今日の方が楽だな
ああ そういえば 昨晩 寝ながら 雨音を聞いた
サアアア と頭の奥にささやく 雪消し雨 と人の言う

雨の粒が光る 氷を開いて 空にまきあがり
空気になって 私の息になる 息は手に 力に
砕いて 鎖を といて 流れ 舞い

晴天に とけてとぎれた雪の道を敷く
雪の道でしか 冬はかえれない
防寒着に 麦わら帽子 日光と雪焼けから肌を守り
クロッカスを待ちわびながら 春に 道を通す






自由詩 麦わら帽子のスノーロード  Copyright 砂木 2014-04-07 00:11:49
notebook Home 戻る