三毛猫のうた
梅昆布茶

いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

なにかに糾弾され続けた日々をも
無数の花と咲かせてくれる
そんな良い季節だ

綻びを孕んだままに
新芽から蕾へそして
季節の風に散り去るものたち

繰り返される巡りに
意味をもとめても
詮無いことだろう

舞う花びらを数えてみても
またはじめの一枚にもどってゆく

でも二度とは
おなじ一枚がないのだろう

永遠という言葉に
呪縛されぬように

今という花びらを
見つめるように
いきてみよう

朝の目覚めを感じるように
毛繕いがすんだならば
また歩き出してみようか

足の裏に
柔らかな春を
踏みしめてみようか








自由詩 三毛猫のうた Copyright 梅昆布茶 2014-04-04 00:20:58
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