サークル「群青」 課題「春」 『春への憧れ』
木原東子
春への憧れ
風の唸りとみぞれ雨 白激しくて雪から氷
春は名のみに 待ち待ちし
春への憧れ 今日終えて
春は来にけり 吾が庭に
仏の座母子草 胡瓜草姫踊り子草
さり気なき草々の
春のささやき たちまちに
ヒアシンスとナルキッソス そろひて歌う
小鳥のさえずり たちまちに
桜の一花甘き蜜 噛み切られては
回転しつつ 花の絵柄を地に描く
春の盛りの樹々の花 我先にと叫べども
春の終わりはすぐそこに 芽吹きの浅緑うずうずと
春への憧れ狂おしく
春来れば悲しきも
その去るを惜しむべし