とても単純なカラクリで
もっぷ

夜の森に鹿は居て
、もう書けない
春に実った野ブドウを食べている
わけはないと(は、
違った意味で)当然だったはずのことが
そうではなくなり
永劫のような空腹を抱えて
すっかり神経は擦り切れて
やっぱり
夜の森の鹿には
満開の桜の隣で野ブドウを
食べていてほしかったりするのに
現実のなかの困難と絶望とそれ故の眩暈は
圧倒的にわたしを貧困にする
わたしの
(あったとしたなら)
ポエジーを

夕刻の森の鹿は秋に野ブドウに寄り添い
時折り村のほうを眺めていた
ヒトの灯りは彼にはやさしくみえた
そして彼は
いままさにその額をつまり命をヒトに
狙われていることをも悟っているのだった
(どこかで読んだ詩が浮かぶ)
(プラスわたしの稚拙な脚色)

もう何もみえなくなった



自由詩 とても単純なカラクリで Copyright もっぷ 2014-03-30 06:31:58
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