美朝
ヒヤシンス
さて、私はこの気持ちの良い夜を吸い込もう。
満天の星空もろともだ。
あなたも私も輝ける朝を待っている。
何をしようが何もしまいが朝は来るのだ。
私はしばしば夜の香気に身を委ねる事がある。
部屋中が搾りたての果実のようなその香気に。
それはとても魅惑的で時に危険をはらんでいる。
机上に向かう私を濃紅色の羽衣で静かに包んでしまうのだ。
しかし私は待っている。輝きの朝を。太陽を。
魅惑的洗脳でとろりとした脳髄よ。目覚めよ!朝が来るのだ。
朝を待ちわびる心持ちこそ私の求めるもの。
どんなに辛い悲しみも窓辺から差し込む朝陽が砕いてくれる。
そして私は悲愴の殻をまた一つ突き破る。
美しい朝を迎えた運命が鮮明で新たな扉を開けるのだ。