ある霧の朝
藤原絵理子


悲しい夢のなかにひたって
目覚めた後も
ムードだけは引きずっている
今朝もあなたはいないんだから

窓から流れこんできそうな
ミルク色の霧
ディテールをおおい隠す魔術
今朝もあたしはここにいるんだから

あなたに恋して
あなたに愛されて
幸せのレベルが上がるほど
あたしは不安になっていく

どうしても尋ねられないことがある
メガネをはずしたままでいたい時がある
臆病なこころが
霧の晴れあがるのを恐れている

幻想
永遠に幸福なふたり
それを信じていたいだけのこと
ウソでもいいなんて思い始めたら終わり

あたたかい
カフェオレの香りにつつまれた朝
あなたの言葉の底に探りを入れるなんて
どうかしてる


自由詩 ある霧の朝 Copyright 藤原絵理子 2014-03-28 22:59:56
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