un/re-can-t
ブルーベリー

名前が変わる前のようにはもう生きられないだろうと彼女は小部屋で言った
「自分の中でこっそりと作ったルールは500円までだった
大体高校生が多かったからおやつみたいなものだと思う」

盗人は大人ばかりいる

自分の時給を上回らない盗人は
普段はスーツを着て近くに住む
ある日捕まった盗人は店の2階に住んでいた温厚そうなサラリーマンで苦笑するばかりで妻はごめんなさいごめんなさいと泣くので額にスキャナを当ててやるさあこの暴発を宥めすかせよ

シチューのパッケージが8時まで剥き終わらないので帰れないことのほうが重要だったりするからその妻は大人しく要求をのみこむ。のみこむ。のみこむ。

もう帰れよと時給1000円の年上のバイトが言う
うるせえよアラサー、ギターへし折るぞ淫行野郎
何がロックンロールだ犯罪野郎
訴えたら勝つぞこの野郎

消化されゆくドリーマーズのハッピーエンドは聞こえてこない

タイムカードをねじ切る。ねじ切る。ねじ切る。

安い時刻表は280時間を示している。

ねじ切る。



もう名前は変わってしまって、昔の話よと彼女は言った


自由詩 un/re-can-t Copyright ブルーベリー 2014-03-27 02:49:08
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