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葉leaf

目的の連鎖を辿っていくと 最終的に幸せに辿り着く 本当にそうですか 人間の行為の目的は幸せばかりじゃない 人間の行為は 大きな悲しみのためにある 大きな喪失のためにある 大きな怒りのためにある 掛け違えられた梯子をどこまでも昇って行って 高みにある地獄から不敵に笑いかけるのが人生

どうせ僕は幸せになれない人間です 他人を幸せにしてその人の幸せをこっそり眺めて そのおこぼれに与ることで間接的に幸せを受け取ること 僕と幸せにはそんな限られた通路しかないのです 僕は幸せを諦めました 幸せを求め続けるよりもずっと楽だから 諦めの平穏さがぎりぎり持っている幸せです

幸せは気まぐれで 幸せはたまたまで 幸せに理由なんかない 原因から切り離されたものが幸せで 何も結果を生み出さない者が幸せだ 不意の夕立のように幸せは訪れる そうして僕は湖を周回しながら 湖底のことにまで思いが及ぶのだ 不幸せは原因を持ち結果を持ち 因果の硬い鎖で僕を縛りつづける

幸せになりたい と僕が言うと 幸せになりたいよね と君が応えた 僕らはどちらも一人ぼっち 二人になることもできたのに 二人になることが幸せだったのに お互い一人相撲ばかりして 喧嘩ばかりで 目の前にあるすぐにでも手の届く幸せが 限りなく遠かった あの日の僕はもう何人になりましたか


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2014-03-26 05:10:57
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