〈オブリビオン〉 染まり葉の下で
黒ヱ


原題:愛し方 愛され方(2012-07-20)

互いの思う根 轍の下手から
幾度目の出会いに また幾度目の別れか
何を見つけ 何を得たか
「愛している」と貴方に 貴方だけに 言えた 
何も 間違いではなかった

高く飛び上がっては 深く潜っていく
その進む先を 果てには 辿り着く場所を
漂う靄に身をゆだねて
聞き耳を立てている

産声をあげた 赤子の手のまま指切りをする
私たち 出会うの早すぎた
幼い そんな春だから心地よくて また結ばれる素朴な口約束
そして訪れる ふたりだけの虚しさ

「会いに来る」
その先は何も知らずに
「待っている」
本当のものを

すべての愛すべきもの達へ


自由詩 〈オブリビオン〉 染まり葉の下で Copyright 黒ヱ 2014-03-26 04:26:06
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