プレミアムヨーグルトを今日も買いに
夏美かをる
「会社が潰れるかもしれない…」
夫が青白い顔でポツリと言う
「そう。じゃあ、じたばたしても仕方ないわね」
私は、パッションフルーツ入りの
プレミアムヨーグルトを食べながら答える
視線はスクリーン上の詩に貼り付けたまま
そして次の日も買いに行く
ザクロ入りのプレミアムヨーグルト
子供にもあげない
それは私のためだけに買うのだから
極上の詩を読みながら
3ドル69セントのプレミアムヨーグルトを食べる
そんな小さな余裕さえ手元にあれば
私は生きていけるのだ
あとは家族がいれば言うことはない
あっという間に空になった容器を
ポイっとごみ箱に投げ捨てる
そう、じたばたしても仕方がないのだ