かつおぶし
小原あき
夫と息子がいる浴室に行くと
かつおぶしの匂いがした
親子で前世はかつおぶしか
鰹として泳ぎまくり
死んだ後はかつおぶしになって
お味噌汁になったのか
死後も価値があるなんて
かつおぶしは思いもしないだろう
二人が出た後の浴室に入れば
わたしも来世はかつおぶし
人間なんてつまらない
死んだら焼かれてお墓にぽん
味噌汁くらいにはなりたいよ
今日は春の彼岸で
坊さんがお経あげてったけど
お経や線香より
仏壇に供えた今朝の味噌汁の方が
成仏できそうだな
今日はそんな気分
自由詩
かつおぶし
Copyright
小原あき
2014-03-21 20:37:22