迷い犬
Yuuki

迷い犬はどこへ行く
都会の隅の雑踏で
蠢く影を身に潜め
声なく空気を震わせて
迷い犬はどこへ行く
春の終わりの夜の夢
風に手紙を運ばせて
木のドアを軽くノックして
迷い犬が夜を行く
あぜ道坂道けもの道
迷い犬は腹空かせ
道に流れた唾の跡
迷い犬のいた証


自由詩 迷い犬 Copyright Yuuki 2014-03-21 02:55:39
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